ランニング好きライトゲーマー虫虎(小説家志望)の日記

ゲーム、ランニング、文章書き、読書、昆虫、子育て、オナ禁、映画、人間関係、音楽、僕が考えていることなどを書いている雑記ブログ

自作小説

ロマンシングサガ3〜ギドラント町長の苦悩④〜

【第4章】 男「あんたら無事だったか」 エレン「えぇ」 男「主は?」 ウォード「倒したぜ」二人は安堵の表情を浮かべたかと思うと、女の子は泣き出した。 女の子「ごめんなさい、ごめんなさい。本当は私が生け贄になるはずだったのにごめんなさい」 男「すま…

ロマンシングサガ3〜ギドラント町長の苦悩③〜

【第3話】 「はぁ…はぁ…」村長は喘ぎながら森の中を駆けた。 村長「何をしているのだ、わしは……わしは……」立ち止まり、片手を木にもたせてうなだれた。 〜 タチアナ「えー、どうするの」 ロビン「まあ、私たちの力を信用してもらえなかったのでしょう。しか…

ロマンシングサガ3〜ギドラント町長の苦悩②

【第2話】 こんこん。ロビンは扉をノックした。しばらくすると、白髪の初老の男が顔をのぞかせた。 白髪の男「なんだね?」白髪の男はかなりやつれていた。 サラ「あの、村長さんと話がしたいのですけれども……」 白髪の男「村長は私だが?」村長と名乗る男は…

ロマンシングサガ3〜ギドラント町長の苦悩①〜

【第1話】 かさかさと小さな物音がした。 (……来た……!) ベットの中の男の背筋は凍りついた。 謎の声「……起きているか?」 男「……はい」 謎の声「生け贄が尽きた。そろそろ次のを寄越せ」 男「いや、しかし……」 謎の声「寄越さなければお前の家族がどうなる…

自作小説「天使の笑顔」

【天使の笑顔】 あれは高校2年の梅雨の時期だった。土砂降りの雨の日。陸上部の練習は休みになった。俺は誰もいない教室で一人で日直の仕事を済ませ、下駄箱へ向かった。(あっ……)下駄箱に同じクラスの豊川ゆいが一人で佇んでいた。どうやら傘を持っていな…

スーパーランニングマン物語

【第1夜】 とんとんとドアを叩く音がした。 「秋ちゃん、お父さんが呼んでるわ。降りてきてちょうだい」 母の春香の声が聞こえた。 「………うん、わかった」 秋人はため息をついた。恐らくは、学期末テストの結果の話だろうと予想がついたからだ。 リビングに…

ハーフマラソン物語

「悪い、ちょっと腰の調子が良くならなくて日曜の大会行けそうにないわ」大田先輩は腰をさすりながら申し訳なさそうな顔をした。 「あぁ、そうですか」大河は頷いた。 「俺が誘ったのに悪いな。一人でも行くか」 「そうですね。せっかく応募したので行ってみ…

自分ルール物語

四月ももう三分の二が終わった頃のこと。 「今月はあと四回でクリアだな」友也はカレンダーの前で頷いた。そして、首にかけたタオルで顔の汗を拭いながら、浴室へと向かっていった。 友也は何事も自分ルールを決めて、自分に課題を課していくことが多い。 一…

PFCバランスって何物語③

「お疲れっす」俺は山中を見つけて隣に座った。 「おぉ、お疲れ。今日は定食なんだな」山中は微笑した。 「そうっすね、前に話してもらってからカロリー計算してるんですけどね。いやぁ、なかなか消費カロリーよりも摂取カロリーを抑えるのって厳しいっすね…

PFCバランスって何物語②

頑張りが報われず憂鬱な気分のまま俺は出社した。 ぼんやりとエレベーターを待っていると、隣の部署の山中がやってきた。俺は仕事上で直接的な関わりはなかったけど、山中は筋トレ好きということで有名人だったので彼のことは知っていた。スーツ越しからでも…

PFCバランスって何物語①

今年は珍しく雪が積もった一月初旬。 俺の気分は憂鬱だった。長かった正月休みが終わり明日から仕事が始まる。仕事は嫌いではないけど、行かなくていいならそれに越したことはないなと怠け者モードが抜けきらない。 そして、もう一つ憂鬱なことがある。俺は…

ランニングしてモテたい物語②

「どんどん寒くなるなぁ」 季節は冬の12月。世間はクリスマス前の浮わついた雰囲気を感じる。私はアパートの階段を降りるとすぐに走り出した。 私がランニングを始めてからちょうど一月が経過した。始めた頃は筋肉痛が辛かったが、走る筋肉がついたのか、そ…

ランニングしてモテたい物語①

私は平凡な大学一年だ。 薔薇色のキャンパスライフを送ろうと目論み、入学前に髪の色を茶色に染めて、お洒落に気を遣って服を調べて買い込んだ。 それにも関わらずだ。結果は見事に惨敗。女子にモテるとは程遠い生活を送る日々だ。何故なのだ。何故モテない…

ダイエットに挑戦物語

「学校の準備できたの。もう出るわよ」 私は2階にいる息子に声をかけた。 「はーい」 元気の良い返事が聞こえてからランドセルを背負った男の子が下りてきた。私と息子は一緒に玄関を出て、鍵を閉めた。 朝は少し寒さを感じるようになった10月のある日。 「…

茶白の猫物語⑥

【正雄⑨】 あうちゃんが来てから3年が経った。あうちゃんがきてから私は変わったと自分でも感じるようになった。母さん曰く、私の顔は柔和になったらしい。以前の私は人が近寄り難い空気を放っていた。誰も私の懐の中には入ってこなかった。そんな私の障壁の…

茶白の猫物語⑤

【僕⑩~冷蔵庫ダッシュ~】 あうちゃんは食いしん坊だ。食べっぷりが愛しい。キャットフードを通常のご飯にして、それに鰹節を振りかけたり、猫缶やカニかま、そして、僕たちが食べる魚介類全般も好きだ。お刺身を食べているときなんかをずっとすり寄ってく…

茶白の猫物語④

【僕⑧】 僕が居間に降りると、あうはいた。 「おはよう、あうはどうだった?」 僕はお母さんに尋ねてみた。 「私の布団の中でぐっすり寝てたわよ」 「へぇー、そんなんだ」 後ろに気配を感じたので振り返ってみると、姉ちゃんがいた。 「おはよう、あうちゃ…

茶白の猫物語③

【僕⑤】 意外だった。あの頑固なお父さんがいいって言ってくれるなんて。頭ごなしに否定されるものと身構えていた僕は拍子抜けしていた。 「じゃあ、今から入れてあげましょう」 それまでじっと僕たちのこと黙って伺っていたお母さんだけど、お父さんの了承…

茶白の猫物語②

【僕③】 僕が学校から帰ってくると、茶白の猫はそこにいた。もうここを陣取っている。 「ただいま」 僕が頭を撫でると、小さく「あう」と鳴いた。しばらく頭を撫でて観察していると、突然玄関の扉が開いた。 「あら、帰ってたの?」 お母さんだ。 「うん、何…

茶白の猫物語①

【僕】 「朝ごはん食べてしまいなさいね」 お母さんがいつものように声をかけてきた。 「うん」 僕は眠たい目をしばたきながら、いつもの朝ごはんを食べ始める。この空間ではテレビのニュースキャスターだけが誰に語りかけるわけでもなく話続けている。 「ご…

日課のランニング物語

私はいつも朝5時に目覚ましを止める。会社へ行く準備を始めるには早すぎる時間だ。 では、何をするのかというと、ランニングだ。 そう。私は毎朝走るのが日課になっているのだ。 いつもの準備運動を済ませ、5時半には家を出る。来る日も来る日も同じコースを…

優しさを選択した話

【優しさを選択した物語】 僕は自分で言うのも可笑しなことだけど、内気な気の良い人間だ。周りに必要以上気を遣ってしまうところがよくある。 会社でも先頭切って突っ走ることはなくて、周りとの調和を保ちながら無理せずに働いていた。同じ日々の繰り返し…

自作小説「Rusty Rail」⑥~GARNET CROW~

【賑やかな街からの帰省】 夏休みになると、彼はこの街に帰ってきた。 私が想像していた通り彼は変わっていた。 「髪染めたんだ」 彼の髪色は茶色になっていた。 「うん、染めてみたんだ」 「裕子、最近元気なかったよね?」 彼は真っ直ぐな瞳を向けてきた。…

自作小説「Rusty Rail」⑤~GARNET CROW~

【きらびやかな街へ】 彼が東京へ行ってから、私は新しい生活に悩まされた。慣れない大学生活と元々の内気な性格が故に、上手く大学に馴染めずにいた。 大学で孤独を感じる度に彼に会いたい気持ちが貯まっていった。 最初は毎日電話していたけど、彼が忙しい…

自作小説「Rusty Rail」④~GARNET CROW~

【暗雲】 私と益田くんの恋は特に浮き沈みすることなく安定の一途を辿っていた。元々、大人しい私と心根の優しい彼だから衝突することもなかったのだろうと思う。 そして、付き合い初めて二度目の夏の事だった。 「裕子、俺、やっぱり東京の○○大学を受けてみ…

自作小説「Rusty Rail」③~GARNET CROW~

【告白】 夏休みも下旬の頃の話。 「おはよう」 「おはよう、あー中に入るとやっぱり涼しいなー」 そう言いながら益田くんはいつもの席に腰を降ろした。もう七度目の勉強会だった。 あの日以来、私達は都合を合わせて勉強会を開いている。 いつものように勉…

自作小説「Rusty Rail」②~GARNET CROW~

【少し先の未来】 「最近、益田くんとよく話してるよね」 紀子が興味津々といった表情で私を見ている。 「益田くんがよく話しかけてくれてさ」 私は顔が赤くなるのを感じて、お弁当の中身に視線を落とした。恋愛経験のない私にとって彼との会話はとても刺激…

自作小説「Rusty Rail」①~GARNET CROW~

【何もない静かな街】 ここには、特別な何かがあるわけではない、所謂普通の街。豊かな田園が多いのんびりとした街。列車は1時間に1本来るくらい。勿論、都会とは呼べないし、かといって誇れるほどの田舎さがあるわけでもない程々の街。そんな静かな街だけど…

奴の侵攻を止めなければ………

ここはとある工場。 時刻は0時を回っている。 そこでは毎夜ある会議が開かれていた。 「黒づくめのあの男の攻撃が日をおう毎に激しくなっている」 工場長らしき立派な髭を蓄えた人物が深刻な表情で語る。 「ええ、街の人への被害も大きいわ」 隣に座っている…

自作小説「Nora」~GARNET CROW~

【第1章 気になるあの娘】 外の空気が肌寒くなり始めた頃のこと。 (そろそろかな………) 人がまばらになり始めた夕焼け小焼けの公園にいる僕は入り口の方へ目を移した。 (きた………!) 黒く短い髪の小柄な女の子がとぼとぼと歩いてきた。少女はふぅっと青いベンチ…