昆虫好きライトゲーマー虫虎の日記

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小説「東の海神 西の滄海」感想

【前置き】

 どうも、虫虎です。今回は、小野不由美先生の十二国記シリーズの3作目の「東の海神 西の滄海」についての感想を語っていきます。ネタバレありますが、宜しくお願いします。

 

【あらすじ】

 廃墟と化している雁国の復興に挑む延王と延麒。復興もまだまだ始まったばかりの頃、延麒が謀反者に人質として捕らわれてしまう。雁国は怒濤の争乱に巻き込まれてゆく。延王の手腕は如何なものか。


【延王がとにかく格好良い】

 何故、雁国は十二国記の世界の中で500年以上もの治世が続いているのでしょうか。その理由を垣間見ることのできるのが本書です。

 

 延王は、「心に余裕を持っていて、政にとらわれず、王としてのプライドを良い意味で持たず、民のことを最優先に考えている」から治世が続いているのだと読み取れました。現在の階級に関係なく真面目で正しい考えの人間を見極め側近に従え、他国の良いところを素直に真似て、民の暮らしぶりを直接見に行ったりします。そういった考え方や行動が長期の治世の秘密でありました。普段は能天気に構えているが、実は色々なことを考えていて、大事な場面では大胆な行動力で良い方へ導いていく延王が非常に格好良いです。

 

 人が見ていないところで、しっかりとした自分の考えや意思を構築したり、色んなことを勉強したり、努力する姿が垣間見えた時、その人のことが凄く格好良く見えますね。

 

「自分のことを誇張せずにひたむきに努力することの大切さ」を教えてもらいました。

 

【情景描写が素敵】

 小野不由美先生の情景描写が好きです。読んでいて感嘆してしまう箇所に沢山出会えるのも魅力の1つですね。

 

 残酷なほど明るい空の下、夏が来ようとしているのに、地上には緑も紅もありはしない。砂漠のように枯れ果てた農地。小麦が緑を作っていなければならないのに、麦はもちろんのこと、はびこる雑草までもがない。ひび割れた大地と、そこにまばらに立ち枯れてそよぐ何ともしれない草は、いったいいつ枯れたのか、暖かな黄味さえ失っている。

(「東の海神 西の滄海」より)


 超がつくほどの絶望的な状況を容易に連想させてくる文章力が素晴らしいです。

 

見下ろす下界には一面の緑野が広がっている。

(「東の海神 西の滄海」より)

 

 絶望から復活の兆しを見ることのできる締め括りが凄く爽快です。

 

 

【まとめ】

 物語の展開の面白さ、情景描写の美しさは勿論のこと、加えて延王の格好良さに惚れ惚れしながら読み進めることができる小説となっております。

 

 是非一読してみては如何でしょうか。