【前置き】
どうも、虫虎です。今回は、GARNET CROWさんの4枚目のアルバム「I' m waiting 4 you」について感想を書きます。例の如く、個人的な解釈ですが、良ければお付き合い宜しくお願いします。
【夕月夜】
1人、夕月夜を眺める僕。光を放たない頼りない月ともうすぐ訪れるであろう闇の気配。心が空っぽになるような心細さや寂しさを感じます。僕はこの雰囲気、心地好くて好きです。
「夕月夜は問う ah 深い闇を連れ
会いに行きたい人がいますか今」
(「夕月夜」より)
夕月夜に問わせてます。何が大きなものに聞かれているような感じの凄く好きな表現です。
夕月夜→月が出ている夕暮れ
【冷たい影】
冬の雰囲気をGARNET CROWらしく歌った楽曲です。澄んでいるけど肌寒い「冬の晴れた空」や歌詞にある「泡沫」という言葉は、GARNET CROWのイメージに合ってると僕は思っています。寒いんだけど、不思議とそれだけじゃない。そんな感じといいますか。
「どんな幸福にも哀しみが混ざる
そんな風にしか未来を生きられぬ気がします」
(「冷たい影」より)
こういった無常感や曖昧さを彷彿とさせられるAzuki七さんの歌詞が僕は好きです。
泡沫→水面に浮かぶ泡
【忘れ咲き】
懐かしい場所に返り、ゆっくり昔を振り返っている時、ふと忘れていた好きだった人のこと思い出しました。そんな曲だと感じました。「1人河原に佇み思い出を振り返る」時に感じるような沁々とした心になる楽曲です。メロディと歌声と歌詞に優しく包まれていく感覚が心地好くて大好きです。
「愛だとか恋だなんて変わりゆくものじゃなくてただ君を好き
そんな風にずっとね思っていられたら」
(「忘れ咲き」より)
記憶の中に存在する「ただ好き」というだけの純粋な気持ちって儚く美しいものという風に感じて良いですね。
【君を飾る花を咲かそう】
もうすぐ旅立つ君への想いを綴るバラードです。優しい思い出と哀しい未来を受け入れさせるような気持ち。中村由利さんの低く響く歌声とピアノの旋律が切ないですね。
「なにもないけど強く生きるよ
優しい君が躊躇わずゆけるように」
(「君を飾る花を咲かそう」より)
曲調が変わるこの部分が哀しみの中で前を向いている感じで切ないですね。
【U】
天の川で隔たれた織姫と彦星のことを歌ったような印象を受けます。あなたあなたあなたと求めるけど、届かない寂しさ。全体的に暗く嘆きの夜の世界が広がっています。
「失うつらさよりも何もない寂しさなら受け入れてゆけると」
(「U」より)
こんなに苦しいなら出会わなければ良かったと思える程にあなたへの愛しさが溢れている表現です。
spell bound 呪文に縛られた
behind 後ろに
at first sight 一見して、すぐに
【Fill Away】
僕たちは何処へでも航海することができるよ。「船に乗って進んでゆく」印象の楽曲です。失うものもあるかもしれないけど、進み続けることができるということが伝わってきます。中村由利さんのアルトボイスの格好良さが際立っています。
「帰り際振り返ればどれだけのものをなくすだろう」
(「Fill Away」より)
それでも前を見て進んでいくぞというような勢いを感じる曲です。
Fill Away 風を十分に受けて進む
【僕らだけの未来】
僕らだけの未来を情熱的に切望する曲です。中村由利さんの情熱的な歌い方もいいですね。「好き」という気持ちが止まらない疾走感が良い感じ。
「どこまでも止まらず思い描けば広がる
水平線が見えるまで君と走りたい」
(「僕らだけの未来」より)
好きな気持ちの暴走の表現の仕方が素敵で仕方ないです。
【この冬の白さに】
冬の曲です。辺り一面真っ白い雪の世界。美しい白い世界と無常感を書き連ねてゆく歌詞と中村由利さんの歌声で僕を冬の世界へ誘ってくれます。
「この冬の白さに抱かれていたいよ
人はうつろうものだから」
(「この冬の白さに」より)
変わりゆく美しい景色を感じることの大切さを教えてくれます。
【ブルーの森で】
森の中でじっと佇むある木に蝶々が止まってきて話をする。木は初めてのことに戸惑いながらも感動する。同時に、「僕も外の世界を見てみたい」という感情を持つようになる。しかし、それは叶わぬ夢だった。冬が来れば蝶々はいなくなってしまう。出会いの感動、意識を持つこと、外の世界へ思いを馳せる気持ち、色んな初めての感情が入り交じる楽曲。完全なる僕の想像の世界です。
「まるで今日生まれたみたいな気分」
(「ブルーの森で」より)
生まれた気分、生まれ変わった気分、新たな意識を持った気分って清々しいものだと思います。
【雨上がりのBlue】
各々に別々の道を前を向いて歩いていこうという楽曲です。雨降りのふらついた時期を抜けて、青い空のように晴れやかな心持ちを持って前へ進もう。サビの晴れやかさが良い感じですね。
「愛すべきもの感じる気持ちまた流れたら偉大な生命力だね」
(「雨上がりのBlue」より)
愛はなくなっても復活する。人間の偉大な底力だ。
【Picture Of World】
夕暮れの丘の上に座っている女性の色褪せたポスターをみて僕は考えている。そんな解釈をしました。全体的に登り下りの小さい楽曲と謎めいた奥深い歌詞とのギャップが面白いです。聴けば聴くほど味わい深くなってきます。
「日がおちれば誰だって灯りがなければ足元だって見えないくせに」
(「Picture Of World」より)
悟ったような投げやりなような一体何があったのでしょうか。
【Sky ~New Arranged Track~】
空の雰囲気を歌詞に反映させている楽曲です。1番は夕暮れ~夜で、2番は夜~夜明けの印象で歌詞が進んでいると感じました。原曲の厳かな雰囲気と比べると、アレンジ版は優しく柔らかい印象を受けました。
「季節は流れて何度も続いてゆく」
(「Sky ~New Arranged Track~」より)
空が移ろいゆくのと同じで季節(とき)、宇宙(そら)、世界(まち)、生命(世界)も移ろいゆきます。
【君 連れ去る時の訪れを】
いつかは訪れてしまう大切な人との別れの時を考える歌です。少しずつでも確実に流れゆく時というの寂しさが静かに降る雨のように感じ取ることができました。優しい歌声に加えて、歌詞が凄く心に溶け込んできます。アルバムの最後を締め括るのに相応しい曲ですな。
「どんな出会いも別れがあるから心の奥で幸福畏れた」
「手を繋いだら二度と離れない
そんな出会いがいい 願ってしまうよ」
「君連れ去る時の訪れをいつか愛しく抱きしめることが出来るのかな」
(「君 連れ去る時の訪れを」より)
歌詞が素晴らしくいいてすねー。
【まとめ】
ここまで読んでくれてありがとうございました。名曲ばかりの素晴らしいアルバムですので、聴いたことのない方、最近聴いていなかった方、また聴いてみては如何でしょうか。