【前置き】
どうも、虫虎です。今回は前回に引き続き恩田陸先生の小説「常野物語シリーズ」の感想を書きます。今回は「常野物語」の全体的なことを語ってみます。ネタバレありますが、よろしければお付き合いください。宜しくお願いします。
【常野物語の全体的な感想】
【ありそうだと思える世界観】
常野の人々は、力を誇示せず、権力を持たず、広く散らばって、ひっそりと目立たないよう暮らしている。だから、僕の観測範囲には彼が見えていないだけで、本当は何処かにいるのかもしれない。そんな想像を掻き立ててられながら読むと、凄く楽しかったです。
「ありそうなファンタジーの世界」って夢見心地良い世界観だなーと読んでいて気がつきました。
【色々な不思議を体験できる】
常野の人達の能力って不思議な力という印象があった。膨大な書物を記憶する力、遠くの出来事を知る力、遠くの音を聴く力、近い未来を知る力、念じるだけで火を起こすことのできる力、長寿の力、不思議な物体を裏返す力、記憶を消ゴムで消す力のような、実践的で物理的な戦闘で直接活用する力ではないし、目立つ使い方もしないから、常野の人達は人間味の良さや優しい振る舞いをしているという印象を受けました。
「派手さのない優しい能力」が不思議さを際立たせてくれていると僕は感じました。
【恩田陸先生の情景描写】
読んでいて、情景描写が素敵だなーと感じることが多かったです。暖かみや美しさや柔らかさを文章から感じて感嘆してしまいますね。
「柔らかな黄色のたんぽぽに、薄い紋白蝶が戯れるさま。」
(「蒲公英草紙」より)
「ポプラの木立や、青々とした山の稜線が広がっていて、みずみずしい気分になる」
(「エンド・ゲーム」より)
【まとめ】
常野物語シリーズは色んな話が紡ぎ出せそうな設定だから、続編が読んでみたいですね。
楽しみですね。