ランニング好きライトゲーマー虫虎(小説家志望)の日記

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小説「白夜行」感想

【前置き】

どうも、虫虎です。今回は東野圭吾先生の小説「白夜行」の感想を書きます。物語の最後の方の結末に触れてますので、未読の方はネタバレになりますので、ご注意ください。宜しくお願いします。

 

 

白夜行

最後の最後まで救いも償いもなく、ひたすらに白夜を走り続けているだけだった。

 

ノワール世界の桐原亮司と唐沢雪穂の哀愁漂う雰囲気が切ないです。小説では、桐原亮司と唐沢雪穂の周りの人の視点のみで描かれている。だから、桐原亮司と唐沢雪穂が何を考え、何を感じているのか分からないようになっているけど、色々な人の視点から、二人に思いを巡らせることができます。それが読者の想像力を掻き立ててくれて頭の中に白夜行の世界が鮮明に表れます。

 

僕自身も桐原亮司と唐沢雪穂がどんなことを考えているのかを読みながら想像を巡らせやすくて白夜行の世界が濃厚に広がっていく読書体験をしました。

 

客観的に描かれているからこそ、読後に自分なりの白夜行のストーリーが出来上がっています。読者に考えさせたり、思いを巡らせる力強さがこの小説の魅力の一つだと思います。


物語展開もだんだん二人の人間性、行動性が分かってきて、面白くなってきます。19年という時代の流れを感じながら、読み進めれるところも奥深くて面白いです。

 

物語の最後は、桐原亮司が宝物にしていた鋏でおそらく自殺したのだと思うけど、そのときの唐沢雪穂の感情も描かれておらず、笹垣の視点から、桐原亮司の死を確認した唐沢雪穂が振り返りもせずに、エスカレーターを上がっていく場面は、凄く印象に残りました。

 

唐沢雪穂の気持ちを考えると胸が苦しい。と同時に物凄く強い人間になってしまっていたんだなと思ってしまいました。物語の世界に引き込まれて、大変面白かったです。

 

 

【まとめ】

 以上、東野圭吾先生の小説「白夜行」の感想でした。

白夜行 (集英社文庫)

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