【前置き】
どうも、虫虎です。今回は乾くるみ先生の小説「イニシエーション・ラブ」の感想を書きます。
物語の核になるネタバレを盛大にしてますので、未読の方は戻っていただいた方が良いかと思います。
それでは、宜しくお願いします。
【イニシエーション・ラブ】
「え?別人だったのか!」
完全に騙されて読んでいました。なるほどなー。そういうことか。
パラパラと読み返してみると、同じ時系列で、二人の鈴木くんが存在していたんだという伏線が張り巡らされていて、物語の辻褄も合うようにできています。ただただ感嘆して凄いなーと感じました。
面白味が凄い。
個人的に印象的な場面は、イニシエーションラブ(通過儀礼愛)として、マユとの愛を成長の過程の中で変わりゆくものだと考えて、結果別れることになった鈴木辰也が石丸美弥子との恋愛にも疑念を持ってしまったことに対して、恋愛の難しさを感じたところです。
「もしもし、たっくん」
(「イニシエーション・ラブ」より)
電話越しの声が、普段通りの呼び方だったことに対して、鈴木辰也が愕然とした場面です。実は、その「たっくん」とは、鈴木夕樹の方だったとは知る由もなかった為ですが。
なるほど、騙されました。