【前置き】
どうも、虫虎です。今回はトールキン先生の「ホビット ゆきてかえりし物語」の感想を書きます。ネタバレありますが、よろしければお付き合いください。宜しくお願いします。
【あらすじ】
ホビットという心優しくて気前のいい、体の小さな種族が、人の目につかないようにひっそりと暮らしている。そのような冒険とは縁遠い存在であるホビット族のビルボが魔法使いガンダルフの計略に乗せられて、13人ものドワーフ達とドラゴンから財宝を取り戻す冒険に駆り出されることになってしまった。平原、渓谷、森、山、洞窟などを進んでいき、エルフやトロル、ゴブリンといった種族と出会う。壮大な冒険の旅路にビルボはどのような活躍を魅せるのだろうか。
【これぞ古典冒険ファンタジー】
冒険とは一言に言っても、色んなものがあります。トールキン先生の「ホビット ゆきてかえりし物語」は悠久で広大な自然の脅威がある舞台にドワーフやトロルやエルフやゴブリンといった種族が出てきて、剣と魔法を駆使しながら、最後にはドラゴンと対峙するという冒険の原点となるような物語を楽しむことができます。冒険小説やファンタジー小説が好きな人には是非とも読んでもらいたい小説です。
【ビルボという魅力的な主人公】
ホビット族のビルボが凄く魅力的な人物です。今まで冒険とは無縁の生活を送っていた彼が冒険を通して男をあげたり、仲間の信頼を獲得していく様子を読んでいると心が弾んできます。
ホビットの能力や得意なことを活かして、ゴクリを謎々で出し抜いたり、魔法の指輪で姿を消して音を立てずにゴブリンの洞窟やエルフの館で活躍したり、巨大な蜘蛛と剣で戦ったりと、ビルボが巧く立ち回ってドワーフ達やガンダルフを助けたり、驚かせたりするのを読んでいると気分が高揚してきます。小さなビルボのホビット能力や運や奇想天外な行動による活躍に胸が踊ります。
ビルボにはたしかに魔法の指輪もあり、ツキもあります。でも、それ以上に、知恵にも恵まれており、こうしたものがすべて備わっているというのは、とても役に立つことなのです
(「ホビット ゆきてかえりし物語」より)
【冒険小説とゲームの冒険】
冒険と言えば、RPGゲームもあります。ゲームはゲームで勿論楽しいのだけれども、ゲームのキャラクターはシナリオが進んだり、イベントがなければ、基本お腹は空かないし、三日寝ずに歩き続けても平気な顔をしてます。
その点、冒険小説の物語を進めていくにはご飯を食べたり、どこかで眠ったり、休んで体力を回復させたり、長き道のりを進まなければならないのです。そんな何を食べたとか、どこで夜を明かしたとか、どれ程疲れたのかという描写が描かれることになります。
そういう文章を読んでいると物語の世界に入り込めて冒険してる気持ちになれるのでいいなと思いました。
川の音、風のすすり哭き、岩の落下音は別として、どうもこの場所は静寂がやぶられることをのぞんでいない~その気配が濃厚に感じられたものですから
(「ホビット ゆきてかえりし物語」より)
【まとめ】
「ホビット」滅茶苦茶面白いです。楽しく愉快で壮大で胸踊る古典的冒険へ出掛けましょう。