【前置き】
どうも、虫虎です。今回はエヴァンゲリオン新劇場版シリーズ第4作目「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」の感想を書きます。スーパーネタバレしています。よろしければお付き合いください。宜しくお願いします。
【あらすじ】
シンジ、アスカ、レイは紅く染まった大地に取り残されていた。アスカの案内の元、彼らは反ネルフ組織ヴィレの保護下にある集落に辿り着く。そこで、シンジは14年前の友人トウジやケンスケらと再会する。シンジは、トウジやケンスケ、新たに作り出された綾波に支えられ、立ち直り、再びヴィレのヴンダーに乗り込む決意をするのであった。
【綺麗にまとめ上げられた本当の最終回】
エヴァンゲリオンといえば、不完全な終わり方が話題に挙げられることの多いアニメではないでしょうか。未完の作品であったというのも、多くの人を惹きつける要素の一つでもあったのかなと思います。
その不完全だった「エヴァンゲリオン」という作品が綺麗にまとめ上げられているところに感動を覚えました。
個人的に、人類補完計画とは何か、碇ゲンドウの行動の動機は何か、どんな結末を迎えるのかを観ることができて大興奮でした。
【人類補完計画とは】
人類補完計画とは何かを自分の観た解釈でまとめてみます。
エヴァンゲリオンの世界では選択肢が2つあった。
1つは人類が使徒に滅ぼされるか。
もう1つは人類が使徒を殲滅し、知恵と肉体を失い魂だけの存在になるか。
碇ゲンドウは後者を選んだようです。
セカンドインパクトで海を浄化し、サードインパクトで大地を浄化し、次のインパクトで人を浄化しようとしました。
他人との差異がなく貧富も差別も争いも虐待も苦痛も悲しみもない浄化された魂だけの世界を生み出そうとした。
それが人類補完計画。
(「碇ゲンドウの台詞」より)
【碇ゲンドウのバックボーン】
何故、碇ゲンドウは人類補完計画をこれほどまで遂行しようとするのか。
碇ゲンドウは、シンジと同じ、いや、それ以上に他人と接するのが苦手だった。かなり強力なATフィールドが発動していたようです。
彼を癒やしたのは、知識を吸収することとピアノを演奏することだけでした。
そんな彼の前に現れたのが綾波ユイだった。
碇ゲンドウは綾波ユイと過ごすことで人の温もりを知り、希望の光を見ました。
使徒の襲来。彼女がエヴァンゲリオンの核となった。碇ゲンドウは、綾波ユイにただ再び会うために使徒を殲滅し、魂を開放しようとした。息子のシンジと接することはいけないことだと思い込み、ただ使徒を殲滅する。そのためだけに生きてきたのだ。
それが碇ゲンドウの動機でした。この部分が知れたのは凄く良かったと僕は思いました。
「お前が選ばなかったATフィールドの存在しない全てが等しく単一な人類の心の世界。他人との差異がなく貧富も差別も争いも虐待も苦痛も悲しみもない浄化された魂だけの世界。そしてユイと私が再び会える安らぎの世界だ」
(「碇ゲンドウ台詞」より)
【マリという魅力的で超重要なキャラクター】
新劇場版からの登場である「マリ」が超魅力的でした。
歌謡曲を歌っているかと思えば、まるでゲームをしているかのようにうきうきとエヴァンゲリオンを巧みに乗りこなす。そして、ピンチとあらば超好戦的になるという面もあります。普段は、頭脳明晰、冷静沈着でありながら人間味や魅惑的なところもある魅力的なキャラクターでしたね。僕はかなり好きになりました。
物語でもかなり重要なポジションを担っていましたね。まさか、過去に碇ゲンドウや綾波ユイや冬月コウゾウと関わりがあったとは驚きました。
【気持ちのいいハッピーエンド】
色んな出来事があった「エヴァンゲリオン」という作品。その色んな出来事を上手くハッピーにまとめているのが素敵だなぁと感じました。
酸いも甘いも幸も不幸も経験して度重なる試練をなんとか乗り越えてきたシンジくんが明るく積極的になった姿、最後に何かしらの答えを見つけることのできた碇ゲンドウ、シンジと心を通わせケンスケの元へ帰るというアスカへの救済、やるべきことを最後まで渋く完遂した冬月コウゾウ、ニアサードインパクト時に助けた綾波レイとの再会、全てのエヴァンゲリオンを破壊するマリ、母の愛情に助けられるシンジ、ミサトさんの母としての償い。
喉の奥のつっかえが取れて、そのまま胃までいって、消化までしてくれたような凄く爽快なエンディングに心が晴れやかな気分になりました。
「なんでみんなこんなに優しいんだよ」
(「碇シンジ台詞」より)
【まとめ】
「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」控えめに言って最高でした。