【前置き】
どうも、虫虎です。今回は、細田守監督映画に6作品の感想を書きます。「時をかける少女」「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」「未来のミライ」「竜とそばかすの姫」です。ネタバレありますが、よろしければお付き合いください。宜しくお願いします。
【時をかける少女】
【あらすじ】
高校生の少女、真琴は過去に戻ることのできるタイムリープの力を手に入れた。
時をかける力を手に入れた真琴はタイムリープを使って高校生活を謳歌し始める。
しかし、次第に過去を変えることで変わる未来に戸惑いを覚え始める。
そして、遂にタイムリープできるようになった真実に触れることになる。
【青春映画】
アラサーのおじさんには味わうことのできない青春を画面を通して感じれます。
学校生活、授業風景、恋愛や友情が眩しい。放課後に友達と遊んだり、好きな人に告白したり、グラウンド眺めながら昼ご飯食べたりしてる描写が懐かしかったです。
僕はそれほど青春を謳歌できた人間ではないので、今、学生の人はしっかり青春を謳歌して欲しいなと思います。
【楽天家の真琴が可愛らしい】
真琴のタイムリープの使い方が可愛らしいなと観ていて感じました。
僕ならもっと違うことに使いそうな気がします。万馬券買うとか、変なことして人のリアクション楽しんで過去に戻るとか、受験一回受けて過去に戻って答え調べてもう一回受けるとか………いや、止めておきましょう。
回数制限あるのを残り数回のときに気づいたっていうものあるけど、真琴のタイムリープの可愛らしい使い方がいいなと思いました。
【何回してもキリがない】
でも、結局タイムリープを何回してもキリがないなと思いました。
過去に戻れる力を持つと、あのときのことをやり直していいものにしようって何度も考えてしまうと思います。リセットできる故によりよい未来を求め過ぎて前に進めなくなりそうですね。
過去を修正することで、他の影響が出る。その影響を修正すると、また、他の影響があるみたいにキリないように感じます。つぎはぎにつぎはぎしてる感覚になりそうです。
だから、結局は過去を受け入れて自分を成長させていくことが大事になっていくのではないでしょうか。
【奥華子さんの曲がいい】
僕は奥華子さんの楽曲が好きでよく聴いてます。
奥華子さんを知るきっかけになったのが「時をかける少女」の挿入歌「変わらないもの」でした。エンディング曲の「ガーネット」もいいですね。
【まとめ】
久しぶりに観ましたが改めていい映画だなぁと思いました。
【サマーウォーズ】
【あらすじ】
目まぐるしくインターネットが普及していく現代社会。
現代はOZ(オズ)という巨大サービスでライフラインを管理するようになった。
ある夏休みのこと、健二は学校のマドンナであり物理部の先輩に恋人のふりをしておばあちゃんに会ってほしいと頼まれる。
先輩の由緒正しき名家に赴いたとき、事件が起きた。ハッキングAIがOZを乗っ取ってしまい、世界中が混乱してしまったのだ。
そして、導かれるままに田舎の旧家の屋敷とインターネットの仮想空間を舞台にハッキングAIとの戦いが巻き起こる。
【面白い内容の映画】
インターネットの世界を可愛く映像化してたり、田舎の生活と仮想空間のギャップだったり、盛り上がりのある展開だったり、ラブストーリーだったりと凄く面白い映画でした。
毎年夏休みに金曜ロードショーで放送されるのも頷けますね。
【主人公健二が結構地味】
僕はとても好きです。幼くてうぶで純粋なところがいいですね。数学オリンピックって凄いんだけど、何か地味さがあって、そこがいいなと僕は思いました。世界中で55人が答えることのできた問題をうっかり最後の一文字を間違えちゃってるところもいいなと思っちゃいます。
【田舎の大家族の良さ】
インターネットが普及して遠くの人ともコミュニケーションが簡単になり、設備や制度も便利になった。一方で、近くの人とのコミュニケーションが減り、核家族化が進む。そんな時代背景の中で、大家族の一体感が際立ってよく見えますね。
田舎の大家族VS先進的なインターネットAIの構図が人との繋がりだったり、田舎の良さだったり、家族の絆の素晴らしさを伝えてくれてていいなと感じました。
「ネットの中だからって何でもやっていいと思ったら大間違いだ!」
(「サマーウォーズ」より)
【まとめ】
総合点の高いいい映画「サマーウォーズ」の感想でした。
【おおかみこどもの雨と雪】
【前置き】
花が大学生の頃出会った男はオオカミ人間の末裔だった。オオカミ人間の男と恋に落ちた花は、そのまま子どもを身籠る。
子どもは狼として育つのか、人として育つのか。不安を覚えつつも、彼と一緒なら大丈夫だと確信していた。
しかし、一人目の子ども雪を育てつつ、二人目の子ども雨を身籠っているときに、彼は突然死んだ。
一人になってしまった花はオオカミと人間の血を引く二人の赤ちゃんをちゃんと育てることができるのだろうか。
【全体的な感想】
面白い設定だなーって思いました。ファンタジー感あっていいですね。
また、献身的で前向きで頑張り屋な花を応援したくなりました。
雨と雪も可愛いです。絵も綺麗だし、素敵な世界観に浸れました。
【雨と雪のこと】
姉の雪は、幼少期獣と戦うような狼よりの無邪気な子どもでした。けれども、小学校に入り、人と生活をすることで、人間の生活に魅了されていきます。そして、狼にはならず人として生きていくことを決意します。
一方、弟の雨は幼少期引っ込み思案で森の中を無邪気に駆け回るよりも母の背中に隠れてることが多かったです。けど、大きくなるにつれて山での暮らしに魅了されていきます。そして、人にはならず狼として生きていくことを決意します。
そのように幼少期の気質がそのまま育ってくんじゃなくて、生活をしていく中で変容してくところが物語として面白いなーって思いました。
自分の意志で自分の道を選択する二人の子どもの姿が輝いてて眩しいですね。
【子どもへの愛情】
母の花の子どもへの愛情に感動します。
狼と人の血を引く子どもを育てれるのは私だけだと、一生懸命に試行錯誤しながら生きる花の姿が素敵でしたね。
フィクションですが、なかなかこんな健気に愛情持ってひたむきに頑張る母もいないんじゃないでしょうか。
だからこそ、周りの人たちも力を貸してくれるし、子どもたちも自分の道を見つけることができたのだと思います。
こんな献身的な親を見ると、自分も子どもに対してもっと愛情注いでかないとなーって思わされます。
【まとめ】
切なくも優しく美しい世界観に魅了されました。
【バケモノの子】
【あらすじ】
母親の交通事故により、孤独になった蓮は親戚の家に引き取られることになった。
そんな境遇をなんとかしたいと蓮は家を飛び出し、渋谷の街を彷徨う。
そこで、偶然にもフードを被ったバケモノと出会う。
1人で生きることのできる強さを手に入れたいと蓮は願い、バケモノの跡を負い、二足歩行の動物達が暮らしているバケモノの街「渋天街」へ辿り着くのであった。
【泣ける映画】
渋谷で蓮に出会い、弟子にならないかと誘った熊徹と九太(渋天街での蓮の名前)との不器用な絆が素敵でした。
お互い、いがみ合ってばかりなんだけど、次第に絆を深めていく。
九太はぶっきら坊だけど真っ直ぐな熊徹から強さや真っ直ぐさを学び、反対に熊徹は一緒についてきてくれる家族の温もりを九太から受け取る。
お互いがお互いに必要な何かを埋めていくところがいいなーと思いました。
闘技場の場面なんか号泣ものでしたね。
【人間とバケモノの対比】
人は力が弱いから心に闇を宿す。バケモノは力が強いから闇を持たない。
人の闇は恐ろしいものであるから、バケモノは人と共存しない。
確かに人は心に闇を抱えやすいと思います。九太のように闇を乗り越える人もいれば、一郎彦のように飲み込まれる人もいる。
九太も一郎彦も闇を持たないバケモノに育てられたわけだけど、闇を乗り越えるか飲まれるかは分からないです。一郎彦は猪王山の優しさ故に闇を宿してしまったのかもしれないですね。
結局はそのときの状況と自分の精神状態によることなのかなと思いました。
誰かに助けてもらえるに越したことはないけど、自分の心の闇は自分で乗り越えれるように努力することがやっぱり大事かなと思いました。
「人間はひ弱がゆえに胸の奥に闇を宿らせるという。もし闇につけ込まれ手に負えなくなったら………」
(「バケモノの子」より)
【また観たいなと思える映画】
「バケモノの子」は観る時期によって見え方が変わる映画だなと感じました。
子どもの時、自立した時、親になった時など時を越えて観れる映画かなと感じました。
ジブリ映画らしさがあるように僕は感じました。
調べてみると、細田守監督は若かりし頃にスタジオジブリに応募していたり、出向(?)で「ハウルの動く城」の監督をしていたけど、途中で紆余曲折あって制作中止になったなどジブリ映画に関わりがあることを知りました。
それで、ジブリっぽさを感じたのかなと腑に落ちました。
【まとめ】
「バケモノの子」面白かったのです。
【未来のミライ】
【あらすじ】
4才のくんちゃんの家のカシの木は過去や未来と繋がってる。時空を超えて繋がる人達に会うことで成長するくんちゃんの物語。
【日常の中に織り込まれるファンタジー】
「未来のミライ」はくんちゃんが不思議な体験をしてることを除けば、普通の日常が流れてます。
その日常がとてもリアルに描かれるてるなって感じました。
子どもが産まれることで妻が強くなったり、夫がママ友にいい顔してて妻にげんなりされたり、妻がどんどん大雑把になっていったり、夫が子育てに遅ればせながら真剣になり始めたり、くんちゃんに妹ができたことで寂しい思いをしたり、子育てを通して夫婦がいい意味で妥協しあって新たな関係性を作ったりとか、妙にリアルだなと感じました。夫婦あるあるみたいな。
その日常の描写が素敵だなーって観ていて思いました。
【ご先祖様がいるから自分がいる】
くんちゃんは未来や過去を行き来します。
普段意識することはあまりないけど、両親が結ばれたから自分がいる。おじいちゃんとおばあちゃんが結ばれたから自分がいる。ひいおじいちゃんとひいおばあちゃんが結ばれたから自分がいる。
今、自分をこの世に存在させてくれているご先祖様に感謝しなくちゃなって思わされます。
「ほんのささやかな事が積み重なって今の私達を形作ってるんだ」
(「未来のミライ」より)
【くんちゃんにほっこり】
物語を通してちょっとずつ大きくなるくんちゃんにほっこりします。
自転車乗れたり、妹のお兄ちゃんだと自覚したり。
題名からして、ミライちゃんが主人公と思いきやくんちゃん主人公だったという全く内容の読めない映画で楽しめました。
【まとめ】
安定して面白かったです。
【竜とそばかすの姫】
【あらすじ】
高知の田舎に住んでる少女すずの物語。すずは幼い頃に母を亡くしたショックで人前で歌えなくなってしまった。すずは自分を変えたくてインターネットの仮想空間「U」にもう一人の自分「ベル」を作り出して歌を歌った。すずの歌は人々の心に響くものがあり、ベルは仮想空間Uで一躍有名人になるのであった。
【現代版ジブリ】
細田守監督の伝家の宝刀「仮想空間」を扱った映画です。
現代のインターネットでよく起こり得る事象に共感できました。ネット空間をもう一つの居場所にしている人、ネット上で無法者を取り締まる警察のようなことをする人、ネットに自分の本当の姿をさらけ出す人、何かの救いを求めてさまよう人、匿名の誰かをネット上にさらして楽しもうとする人、黙って見守る人など仮想空間とは色んな関わり方がありますよね。
皆、ネット上にそれぞれの関わり方があって、それを秘密にしているものなのかもしれませんね。
【インターネットの無限の可能性】
映画を観てて改めてインターネットを無限の可能性を感じました。
一昔前であれば夢を叶えるには一大決心をして、親の反対を押し切り、身一つで上京して大博打を打たなければなりませんでした。しかし、今では片田舎にいたとしてもインターネットを通して挑戦できるし、成功の可能性もあります。
参入障壁がなくなり、戦いは熾烈になるけど、誰にでもチャンスのある時代というのはいいなと僕は思います。
【派手なバトルと甘酸っぱい恋愛】
バーチャル世界である仮想空間で歌ったり、戦ったりしつつ、田舎の自然豊かな場所で甘酸っぱい恋愛をしているギャップが「サマーウォーズ」みたいでいいなと思いました。こういう対比、僕は好きですね。
【まとめ】
田舎の地味で内気な主人公の設定も個人的には好きでしたね。応援したくなりますね。また、歌が題材になっているだけあって、劇中歌が印象的でした。またじっくり聴いてみようと思います。
以上、「竜とそばかすの姫」の感想でした。
【細田守監督映画】
【暖かみのあるグラフィック】
全ての作品に共通するグラフィックの温かみがいいな感じました。無駄な描写のないシンプルなアニメ絵が親しみやすかったです。
【必死に頑張ってるキャラクターが魅力的】
サマーウォーズの主人公健二くんの「よろしくお願いしまーす!!」が有名かと思いますが、細田守監督映画には彼みたいに必死に頑張るキャラクターがたくさんいますね。
「時をかける少女」の真琴や「おおかみこどもの雨と雪」の花、「バケモノの子」の熊徹、「竜とそばかすの姫」のすずなどのキャラクターが個人的に好きです。
【甘酸っぱい恋愛要素】
「時をかける少女」「サマーウォーズ」「竜とそばかすの姫」などは青春を強く感じれますね。
純愛描写がおじさんには眩しいです。
【家族について考えさせられる】
「未来のミライ」「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」などの作品には家族というテーマが描かれているかと感じます。家族を慈しんで大切にしたいなと思える映画達です。
個人的には「バケモノの子」が一番好きですね。
【まとめ】
細田守監督映画は本当に色々な感銘を受けさせられます。ストーリーも面白いし、世界観に心が暖められます。
次回作を楽しみにしたいと思います。