【前置き】
どうも、虫虎です。今回は、小説「デルトラクエストⅡ-Ⅱ幻想の島」の感想を書きます。ネタバレありますが、よろしければお付き合いください。
【あらすじ】
ピラの笛の吹き口を手に入れたリーフ、バルダ、ジャスミンは、ドランの地図に記された次なる島オーロン島へ向かうのだった。
【海上に住まう人々】
オーロン島に住む人々が魅力的でした。
かつて魔力をもち、幻想に囚われた人々。幻想から抜け出して、海上にイカダ集落を作り、暮らし始めた。魚のように泳げる人形の種族は、真実を重んじている。
オーロン島に住まう人たちの設定が気に入りました。
面白いですね。
「住みなれた人工の世界ではなく、自然そのものの、きびしくも美しい外の世界でくらしたいと考えたのです」
(「デルトラクエストⅡ-Ⅱ幻想の島」より)
【長という立場】
オーロン島の長は、自分たちの種族を守るために非情な振る舞いをしました。
その振る舞いは、オーロン島の人々にとっては正義であっても、それ以外の者には無慈悲でした。
読んでいて、人の上に立つ長という立場の難しさを実感しました。リーフ自身も国王としての振る舞いに悩んでいる描写が多く、思うところが多かったでしょう。
しかし、長は、ただの無慈悲というわけでもなくて、心は痛めていたのだろうことが窺えて、さらに、考えさせられました。
大人になって、大事なものを優先しつつ、多方面とのバランスを保つことの難しさを感じました。
結果的には完全ハッピーエンドだったけど、何かしらの犠牲というものも考えなければならないのでしょう。
「この笛長は、けっして血も涙もないわけではない。誇りや勇気ももちあわせている。ただ、自分の感情を表に出さないタイプなのだ」
(「デルトラクエストⅡ-Ⅱ幻想の島」より)
【今回のボス】
今回は、アラクという洞窟に潜む巨大な水生生物でした。
海上で戦うことなんて困難極めるので、戦闘らしい戦闘はありませんでした。
個人的には、中ボス的な位置づけのイモ虫が気に入りました。イモ虫の生態や行動にワクワクしたのは私だけではないはずです。
「いも虫のおばけのような生き物たちが、その上をいそがしくはいまわっている」
(「デルトラクエストⅡ-Ⅱ幻想の島」より)
【まとめ】
以上、「デルトラクエストⅡ-Ⅱ幻想の島」の感想でした。
ここまで読んでくださってありがとうございました。