【前置き】
どうも、虫虎です。今回は、悲しい生物として描かれる鬼滅の刃の鬼について語ります。よろしくお願いします。
【鬼滅の刃の鬼】
「鬼滅の刃」の世界では、敵になる鬼は極悪非道です。善良な人間を襲い、無慈悲にも食べる。それが、鬼殺隊の敵になります。しかし、鬼にも人間だった頃があります。人喰いの罪は許されないけど、彼らは彼らで悲しい過去を持っています。それがとても切ないです。
【印象的な鬼】
『手鬼』
最終選別のときに、炭治郎に倒された鬼です。手鬼は、何本もの手で急所である頸を常にガードしています。最序盤の強敵だったけど、彼にも過去がありました。いつも手を繋いでいた兄がいた。けれども、いつの間にか鬼になってしまい兄を殺していた。鬼でいる期間が長くなると、人間のときだった記憶が薄れていきます。しかし、死の間際、走馬灯をみたとき、ふと思い出した手鬼の兄の記憶が切なかったです。
『響凱』
響凱は、人間の頃、小説家を目指してました。しかし、誰にも認められず闇落ちして鬼になりました。鬼になっても、人間が食えなくなり、落ちぶれてしまいます。そんな響凱に炭治郎が「お前の血鬼術は凄かった」と認めるシーンに心が揺さぶられました。誰かに認めてほしい。それは誰にでもある感情です。頑張っても認められない切なさを痛感する回でした。
『累』
塁もなかなか切ない過去をもっている鬼でした。人間の頃は、生まれつき体が弱くて、歩行すら困難でした。それでも生きたいと願った子は鬼舞辻無惨に鬼へとされてしまいました。鬼にされると、人間を食わないといけなくなります。そんな累を両親は殺そうと決意します。両親を返り討ちにした累は「家族」というものに執着するようになりました。累が完全に悪いわけでもない人間の頃のストーリーに考えさせられました。
『妓夫太郎』
妓夫太郎の過去も辛いものでした。人を殺した罪は償わないといけないのだけど、人生の初期からハードモードだと鬼に落ちるもの仕方ないとも取れてしまうのが鬼滅の刃の考えさせられるところです。彼は、生まれ変わっても鬼になりたいと言ってました。それだけ、人間の頃に辛い思いをしたのでしょう。
『猗窩座』
猗窩座も壮絶な過去を持っていました。病気の父親を助けようとするが叶わなかった。絶望していたとき、愛する人に出会った。しかし、愛する人も守れず、死なせてしまった。考えられない苦しみの中、猗窩座は人間の頃の記憶を完全になくしてました。戦闘中、お喋りな猗窩座からは考えられない壮絶な過去を知って震えました。
「うるせえ黙れ糞が金が足りねえんだよ高いんだよ 薬は」
(「鬼滅の刃」より)
なんとも切ないセリフです。人間の頃、純粋な猗窩座は逆境の中、死にものぐるいで頑張ってました。
『黒死牟』
黒死牟の気持ちも分からなくはなくて、辛いです。最後、灰になったあと、縁壱の笛を懐に携えていた事実に泣けました。黒死牟、笛、もっとったんかい。何百年も苦悩して辛かっただろう。
『鬼舞辻無惨』
生にのみ固執している生命体です。本編ではないけど、生に固執したまるで昆虫のような存在という記述を見かけました。確かにそうなのかもしれないと思いました。人との繋がりを大切にしていく鬼殺隊とは、対照的な行動理念で動く鬼舞辻無惨は、悪役としての存在意義が大いにあったと本編を読み終わってから感じました。
【善良な人間も踏み外す】
鬼の過去を垣間見たとき、善良な人でも道を踏み間違えるんだなと感じました。響凱や累、猗窩座、黒死牟などは元は善良な人間であったと読み取れます。それが伝わるゆえに鬼にも感情移入してしまいました。そこが鬼滅の刃の素敵な仕組みだなと思います。
【まとめ】
鬼滅の刃の鬼について語りました。
ここまで読んでくださってありがとうございました。