ここはとある工場。
時刻は0時を回っている。
そこでは毎夜ある会議が開かれていた。
「黒づくめのあの男の攻撃が日をおう毎に激しくなっている」
工場長らしき立派な髭を蓄えた人物が深刻な表情で語る。
「ええ、街の人への被害も大きいわ」
隣に座っている若い女性も深刻な表情で応える。
「街の人たちに僕たちの悪い噂を流して、この工場の風評被害も狙っているんだ」
茶色の二足歩行の犬が吠えた。この世界の人達は犬の言葉が解るらしい。
「彼の所持している戦闘メカの種類の多さと修理能力の高さに加えて、攻撃パターンが日に日に増えていって対処が難しくなってきています」
丸顔の男も苦悶の表情を浮かべた。
「連日、街を無作為に破壊され、人が襲われて、食料が奪われては、この世界は崩壊してしまうじゃろう」
髭を蓄えた男は応える。
「そうですね、僕が何とかしなければ」
丸顔の男の表情は真剣そのものだ。
「また、明日は何処に出没するか分からないわ」
若い女性は言う。
「パトロールを怠らないようにするんじゃよ」
髭の男がそういうと、丸顔の男は力強く頷いた。
「はい、わかりました」
「頼んだよ、お前だけが頼りなんじゃ。アンパンマンよ」