【前置き】
どうも、虫虎です。
今回は男女4人組バンドGARNET CROWの1枚目のアルバム「first soundscope~水のない晴れた海へ~」について僕が感じた想いを綴っていこうかと思います。共感できないことも多々あるかと思いますが、宜しくお願いします。
【水のない晴れた海へ】
悲しき運命を辿った人魚姫の嘆きの歌。アンデルセン先生の童話「小さな人魚姫」から歌詞を作られているそうです。物語から音楽を作る、音楽から物語を作る行為は面白いなと思うし、聴いていて想像力が掻き立てられて没入感が強まりますね。改めてAzuki七さんは凄いなーと尊敬の念を抱いてしまいます。
楽曲に関しては、独特なピアノ音とコーラスが合わさって、幻想的な海の雰囲気の中、悲壮感の中に安堵感を感じるような不思議な気分になります。
好きな箇所は、曲調が突然変わる「ねぇ誰よりも愛してるよ今も~」(「水のない晴れた海」より)で、人魚姫が身を結ぶことのできなかった王子へ語りをかけるところ。この曲の印象的な部分であって、自然と歌詞に心が響く僕の好きなメロディです。
【君の家に着くまでずっと走ってゆく】
大切な人に会えることの嬉しさを感じれる曲。インディーズ時代のアルバム「first kaleidoscope」の「君の家に着くまでずっと走ってゆく」と比べると、柔らかさと幻想度が上がっているように感じます。最後の箇所が変わっていて、伝家の宝刀「英語締め」になっています。優しい終わり方となっていてこちらもまた良いですね。1つのベースの曲からの2曲を聴き比べるのも楽しいですね。
「過ぎてゆく時間に戸惑うなんてどうかしていたんだ」
(「君の家に着くまでずっと走ってゆく」より)
時の流れを嘆いてもどうしようもないよと無常感の感じれます。
【夏の幻】
大切な人に対する深い愛情と一緒にいれる時間は永遠ではないことへの寂しさを歌った曲。君と喧嘩した時に改めて考えさせられる君への愛情、一緒にいることのできる幸福な時間は永遠ではないこと。君との日々が「夏の幻」になってしまうかもしれない。だから、僕は君を呼び出している。
ギターやキーボード、笛、ドラムのリズミカルで神秘的なハーモニー、中村由利さんの幻想的で力強さを感じる歌声、Azuki七さんの色んな感情が入り交じっている歌詞が織り成すこの楽曲は僕のお気に入りです。
「どんな日にも瞳閉じて一番最初に君を思い出すよ」
(「夏の幻」より)
愛が溢れている素敵な歌詞だなーと思います。
※オフショア=陸風
【二人のロケット】
大切な人とのこれからの行く末を不安定な機械「ロケット」に例えて考える曲。大切な人との今ある幸せを手放しで喜ばず、時の移り行きで変わるであろう未来のことを考えるのは、Azuki七さんらしさが感じられます。僕の考え方も似た所があるので、共感してしまいます。
「いつかは近づきすぎて君の事さえ見えない日が来るのかもしれないけど」
「いつかはすべて忘れて消え去る瞬間が来るならなおさら愛しいよ」
(「二人のロケット」より)
有限だからこそ、愛しさは輝くものなのかもしれません。
※バジェット→政府などの予算。予算案。
【巡り来る春に】
巡り来る大切な人との別れを悲しむ気持ちを歌った曲。春は明るい始まりの季節であると同時に悲しい別れの季節でもあります。春の曲を別れの曲として歌うのがGARNET CROWらしいなと思います。全体的にしっとりとした曲調で、悲しい別れをしっとりと受け入れるような印象を受けます。
「悲しいのは失うよりもいつの日かまた立ち上がること」
(「巡り来る春に」より)
別れよりももっとこの感情を忘れて前を向いてしまうことが悲しい。いつかはこの悲しみを忘れてしまう。それもまた寂しいのかもしれませんね。
「何かを大切に想える気持ちがいつまでも続く様瞳閉じた」
(「巡り来る春に」より)
別れの時の複雑な気持ちが寂しげに広がってくる歌詞が素敵ですね。
【HAPPY DAYS?】
恋人との幸せな日々に少し不安を感じつつ、「幸せだよね?」と自分で確認している曲。これからどうなるかは分からない恋人との未来への不安を冬の季節の心細さのように感じつつも、一緒にいれることの幸せで暖めてるイメージですかね。僕はこの曲に幸せの中にある「心の寒さ」を感じました。「寒さ」があるからこそ、幸せが「暖かい」と感じると思います。中村由利さんの英語詞とコーラスの部分に幸せの中に見え隠れする「寒さ」がより一層引き立てられてるように感じました。
「君のいないとき君だけを想う時間。ほんの少しだけの贅沢な過ごし方」
(「HAPPY DAYS?」より)
もしかすると君との幸せな日々を思い出す時が不安を感じない幸せな時間だったりするのかもしれない。深読みしすぎかもしれませんが。
【Mysterious Eyes】
迷いながらも大切な人と歩み続けていこうという曲。色々なことがあるけど、「神秘的な目」で本当の気持ちを見つめて、君とずっと一緒にいたいよなんて感じですかね。GARNET CROWの楽曲の中では、歌詞はシンプルで曲調はアップテンポな方なので、軽やかで優しい感じがします。このイントロを聴いているといつもコナン君のナレーションが聴こえてきそうになります。後はギターの間奏がいい味してて好きですね。
「気が付けば求めていて、同じじゃない愛すれ違う。形の無いものに焦がれて、true heart for mystery eyes。海の見える街へゆこうよ」
(「Mysterious Eyes」より)
迷いの中、突然の「海の見える街へゆこうよ」という歌詞がでてくるのがいいなーと思います。
【Rhythm】
蜉蝣の歌。歌詞を考察していて衝撃を受けました。蜉蝣の歌だったのか…。これほどまでに格好いい蜉蝣の歌が他にありますか。いや、ないでしょう。短命で弱々しい蜉蝣を題材とすることで、曲の儚さが際立てられています。
「分かち合うもの何もないけど、気持ちが溢れて、きっとそれでいいよね」
(「Rhythm」より)
蜉蝣には何もないようにみえるかもしれません。けど、溢れんばかりの気持ちはあるんだよね。
※カゲロウ(蜉蝣)とは、カゲロウ科の昆虫の総称。昆虫の中で最初に翅(昆虫の羽)を獲得したグループの一つであると考えられている。幼虫はすべて水生。成虫は軟弱で弱々しく長い尾をもち、寿命が短い。
(「Wikipedia」より)
【Holding you , and swinging】
何かの原因で離れ離れになった男女の謎の曲。歌詞を見ずに聴いたら聴き取れず何のことか分からず、歌詞を見らなが聴くとさらに何のことかなんの分からなくなる謎の曲です。中村由利さんの高音パートやコーラスを聴いていると謎の霧がさらに濃くなり、寂しさ漂う不思議な曲になります。
「信じあえれば強くなれると簡単に言うの光の向こうで。疑うことでしか身を守れぬそんな日もあるよ。」
(「Holding you , and swinging」より)
いつもいつでも前向きにはいられない。寂しさ漂う曲を聴いて落ち着く日もありますよね。
※John doe 身元不明の男性名
※Jane doe 身元不明の女性名
【flying】
テイルズオブエターニアの主題歌。聴いてるとエターニアのゲーム画面が頭の中に浮かび上がってきます。歌詞の「ネムラセテ」から連想してみると、君はいないけど、せめて夢の中では君のところへ飛んで行きたい。そんな解釈に僕はなりました。歌詞は色々な解釈ができそうな感じですね。メロディライン全般の格好いい感じと中村由利さんのアルト調のボイスとコーラスがマッチしていて神がかっていてお気に入りの1曲です。
「何もナイ明日がくる瞬間は君に出会えた奇跡胸にだいてネムラセテ」
「気づいた時にはもうただ走り続けることに安らぎさえ感じていたなんて」
儚くも切ない歌詞がエターニアの世界で冒険しているような気にさせられますね。
【千以上の言葉を並べても…】
寂しくも穏やかな別れの曲。恋人関係から友達関係に戻るイメージですかね。タイトルを読めば、大体言いたいことは分かります。穏やかで落ち着いたメロディラインに寂しさを乗せて流れてる感じです。もう終わりなんだよと伝えてくるようなアウトロの切なさが心に響いてきますね。
「千以上の言葉を並べても言い尽くせない事もある。たった一言から始まるようなこともあるのにね」
(「千以上の言葉を並べても…」より)
終わることを寂しがりながらもどこか納得して安堵している様子が心地良いような悪いような何とも言えない気持ちになります。
【wonder land】
無常感を感じる曲。愛も幸福も永遠ではないけど、私達には染み込んでゆきます。GARNET CROWの基本を忠実に表した曲だと僕は感じました。
「変わりゆく幸福の中で君がいるならどんな形でもいいから、We live on wonder land」
(「wonder land」より)
幸福も永遠ではないけど、君がいるならそこはwonderlandなんです。
【夏の幻 secret arrange version】
アコースティックギター系の原曲とエレキギター系のアレンジ。アレンジ版は重低音感があり、原曲よりも歌詞が聞き取りやすく、落ち着いている感じが個人的にはしますね。個人的にはアレンジ版の方が好きだったりします。
「夏の終わり陽射しがゆれてる。海の底のような手のひらの中の街並。」
(「夏の幻 secret arrange version」より)
?。どういう意味なんだろう?。解らないけど、気になるミステリアスな歌詞でありますね。
良かったら、GARNET CROWさんの「first soundscope~水のない晴れた海へ~」聴いてみては如何でしょうか。