【前置き】
どうも、虫虎です。今回は、本「ファーブルの昆虫記上巻」の感想を書きます。こちらは大岡信先生が編訳したものですね。それでは宜しくお願いします。
【どんな本か?】
ファーブル昆虫記のセミ、コオロギ、カマキリ、コハナバチ、オオタマオシコガネ、キンイロオサムシの話を大岡信先生が編訳した本で末巻にはファーブル博士について書かれています。
中学生~大人まで楽しめる内容で、昆虫やファーブル博士について知りたい人にお薦めの本でございます。
【昆虫に愛着が沸く】
ファーブル博士の昆虫記を読めば読むほどに、昆虫に愛着が沸いてきます。
セミが生まれてから命がけで土の中へ潜り、四年もの歳月を経て、綺麗な羽と楽器を作り上げて、一夏を謳歌していることを知れば、夏の間存分に鳴いてくれと思えます。
コオロギが生まれてから数々の死線を乗り越えて何とか生き延び大きくなっていき、自分の家を作り快適に暮らせるところまで辿り着き、その喜びを歌ってるなら、好きなだけ鳴いてくれと思えます。
カマキリの雄が交尾を終えてすぐに雌の栄養となるべく体を差し出す行為を知ると、雄が健気でとても愛しく思えます。
コハナバチのお婆ちゃんが老体でもできることを探して門番になったり、オオタマオシコガネがナシ玉から出てきたときご馳走よりも先に太陽の光を浴びに行ったりするのが可愛いなと思えます。
そんな感じで昆虫に愛着が沸いてきます。
「彼はうたうのです。生きるよろこびを、コオロギは、音楽によって精いっぱいつげるのです」
(「ファーブルの昆虫記上」より)
【魅力的なファーブル博士】
ファーブル博士の文章を読むのが楽しいです。昆虫の実験を順を追って行いながら、その合間に博士の感想や想いを交えてるところが楽しく読めるエッセンスだと感じました。
それから、表現方法が豊かであることも楽しめる要因だと思います。オオタマオシコガネにとっては糞はごちそうであるし、鳴き声をオーケストラ、鳴き声を出すところをヴァイオリン、肉食の昆虫をころし屋などと表現しているところがいいなと思いました。「ごちそう」や「ヴァイオリン」などの表現から昆虫にとってのそれはとても価値のあるものなんだなと感じ取れますね。
また、ファーブル博士は昆虫好きの優しい人なのかなと感じました。キンイロオサムシなどの肉食の虫の研究をするにはどうしても他の弱い虫を食べさせないといけない。その事に対して苦心しているのに優しさを感じました。
ということで、ファーブル博士は文才があって優しい魅力的な人だと僕は読み取りました。
「かわいそうなケムシたち。なさけ知らずの仕わざをひきおこしてしまったわたしを、ゆるしておくれ。しかたないこととはいえ、胸がいたみます」
(「ファーブルの昆虫記上」より)
【まとめ】
以上、「ファーブルの昆虫記上」の感想でした。
ここまで読んでくださってありがとうございました。