【前置き】
どうも、虫虎です。今回は、保坂和志先生の著書「書きあぐねている人のための小説入門」を読みましたので、簡単にまとめてみます。宜しくお願いします。
【どんな本?】
小説家の保坂和志先生が独特の感性で小説の書き方の本質となる部分を突いている本です。
小説の書き方を新たな視点で考えたい人にとって良書になるかと思います。
【書きながら成長する】
本書から小説を書きながら自分を成長させることが大事だと教わりました。
出し惜しみはせずに、今、書いている作品に全力を注ぎます。そして、書く以外、つまり、仕事や趣味、家族との関わりなどの中で小説のことを考えることが大事だなと確かに思えました。
「ただひたすら書くことより、本を読んだり、コンサートに行ったり、トレッキングに出たり、ガーデニングをしたりすることのほうが意味がある。小説とは、そういうことをしながらいっぱい考えられるものだから」
(「書きあぐねている人のための小説入門」より)
【風景描写の大切さ】
風景描写の大切さを教わりました。
風景という三次元の空間を文章という二次元の媒体へとりこむのは難しい作業なのだなと改めて分かりました。しかし、その風景を書くことで現実と小説を繋げることができることがなんとなく理解できました。
風景描写を書く訓練をしよう。
「三次元である風景を文字に変換するということは、別な言い方をすると、視覚という同時に広がるものを、一本の流れで読まれる文字という直列の形態に変換するということでもある」
(「書きあぐねている人のための小説入門」より)
【ポジティブに書く】
小説のいうものは、純文学であれば作者の鬱屈とした感情を表現するもの。エンタメ小説であればクライマックスまで主人公が何か壁に当たったり、悩んだりするもの。という固定概念を持ってました。
しかし、全部が全部そうである必要はないんだなと気づかされました。
自分と読む人が面白いと思えれば、その固定概念から外れててもいいのだってことに気づけたのは良かったなーと思いました。
「書く前から小説のネガティブな磁場に冒されていて、小説を書こうと思った途端にネガティブなものしか目がいかなくなってしまっている。しばらく書くことを休んで、身の周りにあるポジティブなものを発見することを心がけた方がいい」
(「書きあぐねている人のための小説入門」より)
【書き始めよう】
まずは、テーマなどは決めず登場人物と場所決めて書き始める。書き始めてから考えていくとことが必要なのかなと思えました。
そして、小説の中の登場人物が勝手に動き始めるのと、いい小説になるということかなと思いました。
小説の本質に触れたような気がしました。
【まとめ】
本書の一文で小説を書くときに何かを犠牲にしなければ書けないとうことはないという内容の一文をみました。
よく小説家は全てを投げ捨てて何もかも捧げるくらいでないとなれないというイメージがありました。
しかし、そんな無理せず好きなことを考えて書くことを楽しめたらいいなと思いました。
「成功するためには自分自身の過去や現在の周囲を犠牲にしてもかまわないなんて、そんなことは小説だけでなく、どんな表現手段でも職業でも許されない、というのが、私の、奇妙といえば奇妙な信念なのだ」
(「書きあぐねている人のための小説入門」より)