【前置き】
どうも、虫虎です。今回は、小説「指輪物語9王の帰還下」の感想を書きます。盛大にネタバレしてますが、よろしければお付き合いください。宜しくお願い致します。
【あらすじ】
指輪滅却の旅のクライマックス。満身創痍のフロドとサムは、力の指輪を滅びの山に投げ込むことができるのか。世界の命運は彼らの手に委ねられている。
【長い旅路の終わり】
長い長い冒険が終わる第9巻です。そして、物語のクライマックスは前半部分に描かれています。構成としては、前半にフロドとサムの旅に決着がつきます。中盤は、その後のアラゴルンやエオメルなどの国の統治や旅の仲間の別れの話です。終盤は荒れ果てたホビット庄の立て直しの話です。
ネタバレになりますが、指輪滅却成功後の話のボリュームが凄いです。流石、長い長い旅路だったので、ハッピーエンド後の後日談も長尺でした。4人のホビットたちの成長が窺える話が良かったですね。
「食べものの味も、水の感触も、風の音も、木や草や花の記憶も、月や星の形も、一つとしてわたしには残っていない。わたしはむきだしになって暗闇の中にいるんだよ、サム」
【ハッピーエンド後の儚さ】
サウロンを葬って大円団になったのだけど、平和の中の見過ごせない儚さもありました。
ガンダルフが「もう魔法使いの時代は終わった」と言ってみたり、アラゴルンが人間種族としての寿命の短さから治世や恋愛に憂いてみたり、フロドが旅の成功の代償から一生癒えぬ傷を負っていたりと儚いところも多かったです。
そういうハッピーエンドの中に隠してもいいような部分も描いているところがまたこの「指輪物語」の魅力の一つだなと感じました。
「いよいよここなる大海の岸辺において、中つ国でのわしらの仲間の縁が終わることになった。恙なく行かれよ!わしはいわぬ、泣くなとはな。すべての涙が悪しきものではないからじゃ」
【まとめ】
ここまで読んでくださってありがとうございました。