【前置き】
どうも、虫虎です。今回は、小説「デルトラクエストⅡ-Ⅲ 影の王国」の感想を書きます。ネタバレありますので、ご注意ください。よろしくお願いします。
【あらすじ】
三つに分けられたピラの笛を集める旅を続けるリーフ、バルダ、ジャスミン。次なる島ケラス島にて、ピラの笛を完成させることができるのか。
【美しいピラの笛】
読んでいて、ピラの笛の描写が美しいなと感じました。普通の楽器では、奏でられない音色というのは、とても幻想的に思えました。
「ピラの笛の音は、さざ波の立つ水面をなで、緑に輝く岩々のあいだをただよう。妙なる調べは空気をふるわせながら、ケラス族の領域の外まで流れ出た」
(「デルトラクエストⅡ-Ⅲ 影の王国」より)
【伏線回収でスッキリ】
物語の終盤では、1巻と2巻で引っ張ってきた伏線が回収されます。リーフとマリリンの関係性やジャスミンの妹フィリスの存在について明らかになります。エミリー・ロッダさんは巧みに物語を作り込みつつも、分かりやすさを兼ね備えているところが素敵だなと思いました。
「わたしはなんと巧みに、完璧にだまされてしまったことだろう」
(「デルトラクエストⅡ-Ⅲ 影の王国」より)
【臨場感のある敵地潜入】
Aオルから寄生虫という新たな刺客が登場してました。耳から人の脳に潜入して、支配するとは、なんとも恐ろしい存在です。箱に入っている「それ」を想像すると、ゾッと背筋が凍りました。
また、影の王国に潜入してからは、危機の連続で手に汗握ります。つらい現実や恐ろしい敵がうようよいる中、リーフたちの行動から目が離せませんでした。
「まるで、この場所の空気そのものが毒されていて、ひと呼吸ごとに恐怖を吸い込んでいるみたいだった」
(「デルトラクエストⅡ-Ⅲ 影の王国」より)
【脅威のあとの爽快さ】
影の大王をピラの笛の魔力で退けるという偉業を成しました。
主人公のリーフはこの「デルトラクエストⅡ」では、つらい状況に置かれっぱなしであったので、安堵しました。
壮大な物語が終わったあとの爽快感は、大人になっても良いものだなと感じました。
「あなたが、わたしをだますことなんかないと、わかっていたはずなのに」
(「デルトラクエストⅡ-Ⅲ 影の王国」より)
【まとめ】
以上、「デルトラクエストⅡ-Ⅲ 影の王国」の感想でした。
ここまで読んでくださってありがとうございました。