【第2話】
こんこん。ロビンは扉をノックした。しばらくすると、白髪の初老の男が顔をのぞかせた。
白髪の男「なんだね?」白髪の男はかなりやつれていた。
サラ「あの、村長さんと話がしたいのですけれども……」
白髪の男「村長は私だが?」村長と名乗る男は訝りながらもエレンたち一行を部屋に招き入れた。
村長「で、話というのは?」
ロビン「この村の人々から事情は聞かせていただきました。洞窟の奥に住む主のことです」
村長「ああ」村長の表情は一層暗くなった。
ロビン「この問題、私たちが怪傑致しましょう」
村長「あんたらがかね」村長は眉根を寄せた。
エレン「ええ、そのつもりで来ました」
ウォード「おい、お前らまずは報奨の交渉をしてだな」
ロビン「何を言ってるのだね、ウォードくん。困っている人がいたら手を差し伸べる。見返りを求めてはいかんよ」
ウォード「ちっ、俺だけ悪者かよ。分かったよ」
タチアナ「じゃあ、決まりだね。おじちゃん、その洞窟ってどこにあるの?」
村長「ああ、わしが案内するよ」そのとき、サラは何か村長が思い詰めた表情になったのに気がついた。
エレンたち一行は村長の案内の元、林道を歩き続けていた。
ウォード「妙に静かだな」
エレン「えぇ、そうね」魔物がいてもおかしくないのにこの辺りには生き物の気配がなかった。
サラ「あの、村長さん、洞窟の主ってどんなのかわかりますか?」
村長「行けばわかるさ」
しばらく歩くと鬱蒼とした森の奥地に洞穴の入口が現れた。中の方はかなり広くて5人が横一列に並んで歩けるほどの広さだった。
村長「この中だ。健闘を祈る」
ロビン「さあ、私たちの力を見せつけてやりましょう」エレン一行が洞穴の中に入ったその時だった。ゴゴゴと岩の擦れる音がした。その音とともに入り口から差し込む陽光が遮断された。
全員「えっ!」
ウォード「ちっ、はめられたか」
タチアナ「えー、なになに」
エレン「ちょっと、どういうことなの」エレンが叫んだ。
村長「奴らには誰も勝てんよ。悪いが生贄になってくれ」
ウォード「おい、じじい、出しやがれ」しかし、返答はなかった。
サラ「どうしよう……」
〜つづく〜