ランニング好きライトゲーマー虫虎(小説家志望)の日記

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小説「精霊の守り人」感想

【前置き】

どうも、虫虎です。今回は、上橋菜穂子先生著の小説「精霊の守り人」の感想を書きます。ネタバレありますが、よろしければお付き合いください。よろしくお願いします。

 

 

 

【あらすじ】

この世界には現実のサグの他に、目には見えないナユグという世界が存在している。サグとナユグには100年に1度大きく関わってきた歴史がある。ナユグの雲を吐き出す水の精霊が現実世界のサグの人間に卵を産みつける。それは、おそらく卵喰いであるラルンガという化物から卵を守るためであるという。しかし、卵をサグの人間に産みつければ安心というわけではない。ラルンガは卵の匂いを嗅ぎ当ててサグの世界に現れそれを襲ってくる。100年に1度の時がきた。偶然にも水の精霊に卵を産みつけられた王宮の神子チャグムは不思議な運命に巻き込まれていくのであった。

「目に見えるサグだけではなく、目に見えないナユグを知ることがね」

(「精霊の守り人」より)

 

ジパングファンタジー

ファンタジーといえば、海外のイメージがあるのだけど、上橋菜穂子先生の日本ならではのファンタジーも面白いですね。あとがきに、「子どもも大人も楽しめるものを書きたい」と書かれていたのですが、まさにその通りで私も楽しめました。日本ではないのだけど、どことなく昔の日本を彷彿とさせるような世界観は親しみが持てますね。

「息をのむほどの美しい瑠璃色の水が、はるか光のとどかぬ、闇の深みにまで続いていた」

(「精霊の守り人」より)

 

【助け合いながら生きること】

人は一人では生きていけない。不便な時代では尚更ですね。なんでも与えられることが当たり前の暮らしをしていたチャグムが卵の生きたいという意思を尊重するに至るまでの過程には、助け合うことの大切さが凝縮されているなと思いました。命の尊さを考え直すきっかけになります。

「強い命、弱い命。いくつものほかの命に守られている幸運な命もあれば、生まれてすぐに、命の川の細い行き止まりの枝川に迷い込んで、消え去っていく弱い命もある」

(「精霊の守り人」より)

 

【女用心棒のバルサの魅力】

主人公のバルサも魅力的でした。強くて優しい人になりたいなと思っている私にとっては理想的なヒーローでした。バルサの昔のエピソードが好きです。

「世間ってもんをよく知っている。みんな、なんか自分にいいことがなきゃ、なにもしたくねぇさ。でも、なかには、見返り以上に、よくしてくれる人ってのもいる。そういう人はね、やっぱり根がやさしいんだよ」

(「精霊の守り人」より)

 

【まとめ】

精霊の守り人」の感想でした。

 

 ここまで読んでくださってありがとうございました。