【前置き】
どうも、虫虎です。今回は、GARNET CROWの3枚目のアルバム「Crystallize~君という光~」について語っていきます。良曲ばかりの素晴らしいアルバムですね。例の如く、僕の個人的な感性による感想ですが、宜しくお願いします。
【今日の君と明日を待つ】
今日の君と明日を待つ幸せ。穏やかな楽想です。冬の寒さと対称的な大切な人との穏やかな温もりを大事にしたい気持ちになる曲です。ゆったりしたメロディラインと中村由利さんの穏やかで力強い歌声が心地良いですね。
「変わらぬまま君といたい
何度でもその体温繋いでいようね」
(「今日の君と明日を待つ」より)
最後の美しい高音と幸せな歌詞が心に染み入ります。
【君という光】
愛する人と共に歩みを進めることの幸せを歌ったバラード。僕を「海月」、君を「月光」と、比喩表現の海世界から愛を連想させたゆったりした心地好いメロディです。静かに聴こえてくる優しいアコギの音色が美しく耳が癒されます。Azuki七さんには珍しい成分100%の愛の歌詞も素晴らしいですね。
「愛なんて淡い幻想(ゆめ)思い思いみるもの
それなら誰かと同じ現実(ゆめ)をみたくなる」
(「君という光」より)
愛する人を抱きしめたくなるような愛に溢れた歌詞ですね。
【スパイラル】
渦巻きのように颯爽と回り続けて突き進んでいこうという歌。中村由利さんの力強い歌声と疾走感のあるメロディにAzuki七さんの前向きな歌詞か合わさった元気を貰いたい時に聴きたい曲です。Aメロから徐々に加速していく所が良い感じですね。
「今いる場所からいつも始めればいい」
(「スパイラル」より)
勇気が溢れるような歌詞です。
「在るがままに受け止めればいい
涙よりも一つ多く笑えればいい」
(「スパイラル」より)
中村由利さんの声が心に染みます。
spiral 渦巻の 螺旋形の
【泣けない夜も泣かない朝も】
離別した大切な人のことを想い哀しむ曲。離別したことについてくるくると頭の中でずっと考えているような感じですね。中村由利さんの力強い歌声とサビの悲しみを表現している敢えて一本調子気味な所に曲の儚さや美しさを感じます。
「もどかしさ抱えて悩んでいるくらいが色褪せて逝く時の終わりに僕たちが生きてるって気にさせる」
(「泣けない夜も泣かない朝も」より)
絶望して思考が停止してる状態から少し考えれるようになった本の少しだけの希望を感じ取れるような印象です。GARNET CROWの楽曲には悲しみの中の僅かばかりの希望を感じさせられることが多いように感じます。
【クリスタル・ゲージ】
思考や想念という結晶の容れ物の素晴らしさを語りかける美しい曲。中村由利さんの綺麗な高音、聞き取れない英語詞、意味のないコーラス音が相まって神秘的で不思議な感じです。Azuki七さんの抽象的な歌詞と控え目に聴こえてくるギター音が不思議と心地好くて「緑いっぱいの木漏れ日の中いる」感覚です。
「辿り着きたいのは何処かの場所じゃない 何処にいても揺るがぬideology」
(「クリスタル・ゲージ」より)
心や思考といったことについて考えてる哲学的な歌詞が個人的には凄く好きです。
ideology 思想・観念形態,空理,空論
false 偽
enigmatic 謎めいた
【Marionette Fantasia】
ホフマン先生作「くるみ割り人形とねずみの王様」をモチーフにした楽曲です。物悲しく優しい幻想的な雰囲気が特徴的。ファンタジーの世界にいるような居心地良さが良いですね。
「硬いクルミが割れたら現実は不意に流れ出す」
(「Marionette Fantasia」より)
僕は原作本の概要を読んだだけですが、原作本を読んでから聴き直してみたいですね。
marionette 人形
fantasia 幻想曲
【永遠を駆け抜ける一瞬の僕ら】
地球の長い年月の中に生まれて生きる僕らの時間は一瞬でした。その一瞬にも色んなことがあります。そんなことを考えさせられる曲です。中村由利さんのおおらかな歌声とイントロやアウトロ、間奏のギターとピアノの音色が優しく包み込んでくれます。
「どんな風に現実を感じても構わないよね」
(「永遠を駆け抜ける一瞬の僕ら」より)
語尾の「よね」がなんか優しく包んでいくれる感じがして良いですね。
【Endless Desire】
無常にあり続ける欲望を切なく考える曲。歌詞にある「mystery awake night」から「真夜中」を連想させられます。曲の雰囲気は暗くて重厚感があるので、中村由利さんの力強いアルトボイスが相性良く響き渡ります。
「ただひたすらに求めていただけ
何かがひきかえになることわからないまま」
(「Endless Desire」より)
果てし無い欲望。求め続けることで、何かは変わっていくのだろう。
Endless 果てし無い
Desire 欲望
out of the blue 突然 出し抜けに
【逃れの町】
調べてみると…「逃れの町」は、旧約聖書で、ユダヤ人の領土に設置するよう神から定められた、過失で殺人を犯してしまった人が復讐から逃れて安全に住むことを保証された町のこと。(ウィキペディアより)
過失の罪を犯した人の心情から「宗教的救済」や「許しと継続」や「罪の終わり」についての想いが語られてるように感じた楽曲。重々しい曲調で「殺伐とした町の風景」が連想させられます。歌詞について考えながら、聴いていたらこの曲の深淵さを感じずにはいられませんでした。
「秘めた欲望にさぁ深い畏怖ととどめ刺して欲しい」
(「逃れの町」より)
もう凄い歌詞の締めくくりですよ。
knavish 悪党のような、ならず者の
【Only Stay】
ぶつかり合って訪れる別れ。その悲しみも時が忘れさせてくれます。耳を澄ませて聴いてみると、中村由利さんの力強いアルト声に高音のコーラスが添えられていることに気づきました。このコーラスが楽曲に良い味つけをしてるのではないかなーと感じました。
「夜明けってねぇ意外に早くやってくるもので簡単に変わってしまえるみたい」
(「Only Stay」より)
感情高速全回転で爆発したことも、いつの間にか薄れてしまってます。そんな真理をついた素晴らしい歌詞ですね。
排斥 おしのけ、しりぞけること。
【恋することしかできないみたいに】
恋することしかできないみたいな甘く爽やかな世界観が広がる楽曲。「Endless Desire」「逃れの町」「Only Stay」と重く深い世界観の続く楽曲を後に「恋することしかできないみたいに」を聴くと尚更この世界観の明るさが身に染みます。「秋の始まりの過ごしやすい爽やかな風」といったところでしょうか。
「優しい風をハシラセテいこう」
(「恋することしかできないみたいに」より)
風に優しいという形容詞をつける表現が好きです。また「ハシラセテ」を片仮名にしてるのもいいなーと。
【夢みたあとで】
~lightin grooves
True meaning of love mix~
想い人を夢みる曲。原曲に比べて、明度、お洒落度、疾走度が上がっている印象です。原曲は優しさや切なさ、アレンジ曲は力強さや伝える力に比重がかかっている印象です。
「朝が来るたび君のことを想う」
「目の前で分かれゆく風の音通りすぎたあとの静寂に降る太陽 優しすぎて愛しさ増す」
歌詞のどの部分を切り取っても、詩的で芸術的な美しさを感じます。Azuki七さんの書く日常の情景が僕はとても好きです。
ここまで読んでくださってありがとうございました。GARNET CROW「Crystallize~君という光~」を聴いてみては如何でしょうか。