ランニング好きライトゲーマー虫虎(小説家志望)の日記

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小説「風の海 迷宮の岸」感想

【前置き】

 どうも、虫虎です。今回は、小野不由美先生の十二国記シリーズの2作目に当たります「風の海 迷宮の岸」の感想を綴っていきます。ネタバレありますが、宜しくお願いします。

 

【あらすじ】

 麒麟は王を選び、王に仕える神獣。金の実から産まれるはずであった戴国の麒麟は「蝕」により行方不明となる。10年後、蓬莱で見つかった戴麒は戴国に連れ戻され、王を選ぶことになる。麒麟として何も知らない戴麒は自分の運命と葛藤することとなる。


麒麟のことがよく解る小説です】

 十二国記シリーズで重要な存在となる「麒麟」についてよく解ります。「麒麟」とはどんな気性であって、何ができて、何をしなければならないのかということが解ります。争いを忌み嫌い、姿を変えたり、妖魔を使令にできたりと十二国記シリーズにおける「麒麟」の設定の面白さを再認識することができます。

 

【中国神話における麒麟の存在】

 「麒麟」について調べてみました。「麒麟」とは、中国神話に現れる伝説上の霊獣です。形は鹿、顔は龍、牛の尾、馬の蹄、背毛は五色、毛は黄色く、身体に鱗があります。基本的に一角獣。性格は非常に穏やかで、足元の虫や植物を踏むことさえ恐れるほど、殺生を嫌います。神聖な幻の動物として、1000年を生き、鳴き声は音階に一致し、歩いた跡は正確な円になり、曲がるときは直角に曲がります。

 

【優しい戴麒に心打たれる】

 小野不由美先生の心情描写が繊細で読んでいて、感銘を受けることが多かったです。その為、戴麒の葛藤する気持ちがどんどん伝わってきて感情移入できました。

 

忘れられていれば悲しい。忘れずにいて、いなくなったことを喜ばれていれば、なお悲しい。いなくなったことを悲しんでくれれば、いっそう悲しかった。

(「風の海 迷宮の岸」より)

 

 優しさ溢れる戴麒を応援したくなりますね。

 

【まとめ】

十二国記シリーズにおける「 麒麟」についてよく解る本書です。麒麟の優しさに触れながら読み進めれる面白い展開の物語です。良いですね。

 

 読んだこともある人ない人も是非読んでみては如何でしょうか。

 

風の海 迷宮の岸 十二国記 2 (新潮文庫)

風の海 迷宮の岸 十二国記 2 (新潮文庫)

  • 作者:小野 不由美
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/09/28
  • メディア: 文庫